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“パンズ・ラビリンス”

a0013880_16474919.jpg台湾旅行はダメになってしまいましたが、映画のほうは観てきました。
最終的に一緒に観る約束していた妹は仕事で、ひとりで観ることになったんだけど、それでもとにかく観てよかった。残虐なシーンも多くて、見ていて楽しい映画ではなかったけど、とてもいい作品だと思います。公開もう終わっちゃうので、ここで力説してもしょうがないかもしれないけど(笑)。

舞台はフランコ独裁政権下のスペイン。少女オフェリアは、身重の母親と一緒に山奥の駐屯地へやってきます。そこでは母の再婚相手である大尉が反政府のゲリラ軍と戦っており、長旅で体の弱った母は寝込んだまま。一人ぼっちで過ごすオフェリアは、家の裏にある迷路の奥でパン(牧神)と出会い、実は彼女は地下の魔法の国の王女で3つに試練を乗り越えれば地下の国に戻れると聞かされ…というストーリー。

『魔法の国』なんて聞くとなんだそれ?と思うけど、現実の世界もファンタジーの世界もとてもリアルな映画だと思いました。現実的かというと違うけれど、質感が分かるというか、身近に感じられるというか。
冷酷非情な軍人・男性に頼らないと生きていくのが難しい母親・多感な子どもという構図は、この時代を描いたスペイン映画にもよく見られるので、それほど目新しくもないけれど、同時進行でファンタジーも描いて、2つの要素がひとつのテーマでつながっているのがいいです。

私にとってはスペインは少し特別な国になってしまうので、内戦の描写なんかは、時代が違ったら私の知ってるあの人やこの人が人を殺したり拷問されたりする運命だったのかもしれない…と考えてしまってとても辛いのだけど、ファンタジーの要素が入ることで『スペイン内戦』の話よりもっと広いものになってます。
観ている側には、大尉がフランコ側とか、フランコがいいか悪いか、ゲリラ軍が何のために戦っているかとかいう知識は関係ないし、『以前スペインでこういうことがありました』というだけに終わらず、いろいろと考えさせられる内容になっているし、それぞれが考えて正しい道を選ぶというのが映画の大事なテーマだと思います。(だから私は、あのラストはハッピーエンドと取るほう)

ところで、この映画のプログラム、カラーの絵本みたいになってる豪華仕様?800円も出して買ったのですが、執筆陣もっといい人たちを選べなかったのかな? もっと、この映画を真面目に観てくれる人、大事に思ってくれる人に頼めなかったのでしょうか?
映画にたいした感想も持たず、仕事を頼まれたからやっつけで仕上げた…て感じの人が何人かいたような気がします。私もこんな拙い文章書いといてなんだけど、あまりに内容のないことを書いてる人が多くてとても残念だったし、そんなものにお金を払う側としては不愉快でした。
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by bordergirl | 2007-11-23 17:55 | 映画 en español