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カテゴリ:映画 en español( 43 )

抱擁のかけら

映画を観たのはもう2ヶ月も前だけど、ブログを映画メモとして使っていくことにしたので、せっかくなので軽くメモ。

スペイン映画、アルモドバル映画にしてはものすごく見やすい映画。
スペイン語の勉強としても聞きやすかった。といっても、私のスペイン語力は衰える一方なのでもうちゃんとヒアリングは出来ないけど…。どの登場人物も癖のないスペイン語を話すので聞きやすいと思う。
ストーリーも、過去に遡るという構成で結末がある程度分かっているにもかかわらず、なかなか先が見えなくて最後まで集中して観てしまった。
ラストも、もやっとした終わりではなくて、希望の持てるエンディング。
コピーにある究極の愛とかなんとか、私はそう思わなかったけど、ラストの『どんな映画も完成させることが大事』という台詞はよかったなと思う。映画=人生かな、と。途中で止まらずに、駄作でも続けていくことが大事だよね。
劇中の映画がアルモドバルの昔の映画とほぼ同じというのもポイント。この人の映画は色んなところでつながってて、面白いな。あと、たいてい作家とか監督とかモノづくりの人がいて、ふとしたニュースや記事から物語のネタを仕入れているのも面白いなって思う。そんな風に人生を見れたら、いろいろと視野が変わってきそう。
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by bordergirl | 2010-04-04 21:52 | 映画 en español

“命を燃やして"

a0013880_17481217.jpg今年もスペイン・ラテンアメリカ映画祭(ラテンビートフィルムフェスティバル)へ。ただ、他に予定もあって、今年は観たかったこの1本のみ。
メキシコ映画です。裕福ではないが家族に愛されて育った無邪気な15歳の少女が、大統領を目指す野心家の将軍に見初められて結婚して…というお話。
女性を主人公にした大河ドラマっぽいお話が好きなので、とても興味がありました。

しかし、うーん…私的にはいまひとつだったかも。
夫である将軍がかなりアクの強い人物で、目的のためなら手段は選ばず、汚いことも平気でやる人間。最初はそんな彼を英雄視してた少女も、夫が出世するにつれて責任のある立場になり、自我に目覚めていく…という展開なのだけれど、私的には彼女の成長ぶりが物足りなかったというか、ちょっと中途半端に感じました。

美人で、いきなり上流階級に入れられてもそれなりにやっていける適応力の持ち主で、実はけっこう頭もいい主人公なのに…旦那も彼女を女の子扱いしつつ、実は彼女のそういういいところを認めていたんじゃないかと思うんだけど…当人にあんまりその自覚なし。
もっと、はっきり自分の道をうちだして夫に対抗するとか、逆に夫を操って一緒にやっていくとか、できる主人公だと思うんだけど…なんだかはっきりしないまま終わっちゃって、もったいないなぁと思いました。別の男の人と恋に落ちる部分も、結局いいところどりで彼女がどうしたいかはっきりしないし、本当にこれって恋愛なの?って思っちゃったし。
とにかく、自分が好きになった人なんだから、どっちに対しても思いっきりぶつかってほしかったなぁ。

…と、愚痴ばかり書いちゃいましたが、素材や登場人物がネタとして面白いからもったいないんですよね…。原作本があるみたいなので、映画とどう違うのか、機会があれば読んでみたいなと思います。
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by bordergirl | 2009-09-23 17:46 | 映画 en español

アラトリステ

a0013880_18201187.jpg撮影時からブログで記事にしていたアラトリステ。スペインで公開後しばらく待っても日本に来なかったので、スペインでDVDを買ってあったのですが、見ないでいるうちに日本公開…。結局、DVDを観たのは日本上映よりも遅くなってしまいました…。

だって、スペインで映画を観たクラスメイトが『全然分からなかった』と言っていたので、ヒアリング難しいのかなぁ~と…思って腰が引けちゃって。ちゃんと集中して観れるときに観ようと。
で、ようやっと観てみて、やっぱりよく分からなかった…。

とはいえ、日本で普通に上映を観た方々のブログを読んでも、『分からない』のはヒアリングだけの問題でもなさそうです。
舞台は、スペイン栄華期の終わりごろ。いまだ日の沈まぬ国ではあるものの、オランダの独立戦争、フランスとの戦争など対外的にも多くの問題を抱えていたスペインで、傭兵・刺客として活躍する架空の人物アラトリステが主人公のお話です。
歴史物だからハードル高いかなぁと思いましたが、もともと歴史好きなのでこの辺はかろうじてクリア。ただ、映画のHPなどで宣伝されてるように手に汗握る宮廷陰謀劇…ではないのですよね。そういうお話かなぁと思ってたんだけど。
ウィキペディアで調べてみたら、映画はどうも原作の5,6巻分を一気にまとめたストーリーのようです。なので、一つ一つのエピソードは因果がよく分からないまま次のエピソードへ進んでしまい、盛り上がりに欠けるのです。おかげで人物関係も呑み込むのに時間がかかりました。
続編を作らない潔さはいいのかもしれませんが、なんならオリジナルエピソード作っちゃったってよかったのにね。

華やかな宮廷陰謀劇ではないかわりに、一言で言うとものすごく泥臭い映画でした。主演のヴィゴ・モーテンセンもいつも髪はボサボサ、服はボロボロ、体は傷だらけ。戦場で泥まみれになって戦って、家ではベッドもない生活。何度も、これで死んじゃうのか…と思わせる主人公も珍しい。
でも、そういう部分で助けられていた映画かも。ハリウッド風の薄っぺらな派手さで作ったら、このストーリーでは訳の分からないものになっちゃったでしょう。

ちなみに、カディスのカレタ海岸もちゃんと出てきました。当時の人は本当にあんなふうに帰還したのかな。画面いっぱいに広がる海がとても綺麗でした。
私のカディスの知り合いもエキストラ出演してたみたい。といっても、知り合いの知り合いで、私のほうはあんまり覚えのない人なんですけど…。撮影中はヴィゴとみんなで遊びに行ったりしたそうです。本当かなぁ。写真でも撮っといてくれればよかったのに。
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by bordergirl | 2009-01-31 18:58 | 映画 en español

チェ 28歳の革命

a0013880_213959.jpg先日の水曜日に見てきました。レディースデイってこともあって女性のお客さんも多く、チェ・ゲバラってこんなに認識度高かったんだーとちょっとビックリ。そもそも、マイナー系の映画館でひっそり上映されるのかと思ってたよ(まぁ、宣伝がんばってるので、よく考えたらそれはないけど)。
という私も、もともとゲバラの顔が好きで興味を持ったので(だって、好みのど真ん中なんだもーん)、そういう人もいるのかな…。

とにかく、そんな私なので、ゲバラ本人の人となりやキューバ革命については今まで見た映画(“モーターサイクル・ダイアリーズ”や“夜になる前に”)でしか知らなかったので、果たして内容についていけるかな~と思ったのですが…(いちおう上映前にゲバラの説明は入ったけど、革命の意図が説明されてないので不十分だと思う)。
映画は本当にドキュメンタリーのようで、とても引き込まれました。余計な説明や心理描写は一切なく、それでいて自分もその場にいるような感じなので、詳しい部分は分からなくても感じ取れるというか…。とくにゲリラ戦の雰囲気が伝わってきて、革命がどんなものだったか分かったような気がします。

印象に残ったのはゲバラが『責任』という言葉をよく使っていたこと。見張り兵が交代が来なくて朝まで見張りを続けないといけなかった…というシーンで、ゲバラはシフトを組んだ人間を『君の責任だ』と叱るのね。こういう、プロ意識のある考えはいいな~と思いました。
でも、後でよく考えたら、ラテンアメリカの人を個人的に知らないで言うのはフェアじゃないですが、こういう考え方(自分の役割に責任を持つとか、処罰は平等にとか)はあっちの人の性格とはぜんぜん違うものじゃないかな…と。
だから反発も大きかったろうな、と。でも、ゲバラが変えたかったのはこういう部分でもあったんじゃないかしら。

ちなみに、上映中はぜんぜん気がつかなかったのですが(だってジャングル暗いし、みんな軍服なんだもん)、知ってる俳優さんが結構出てました。カストロの弟ラウル役に“ラブ・アクチュアリー”のロドリゴ・サントロ、ゲバラの後に妻となるゲリラ女性に“そして、ひと粒のひかり”のカタリーナ・サンディノ・モレノ。
ラテン系の俳優さんが出てるので(サントロはブラジル人だけど)、言語はちゃんとスペイン語です。ソダーバーグ監督が言うに、たとえばアメリカ映画だから英語でというんじゃなく、現地の言語で撮る時代になっているとのこと。嬉しいことだ。
だって、映画を見たあと興味が出てゲバラを検索してて、たまたま彼の演説?みたいな音源をちらっと聞いたのですが、主演のベニチオとかなり似てました。英語じゃあの雰囲気は出ないよね。
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by bordergirl | 2009-01-26 02:45 | 映画 en español

“マカロニ・ウエスタン800発の銃弾”

a0013880_22212382.jpg母と、父方の祖母と一緒に暮らす少年カルロスは、引越しの最中に撮影中に事故死したスタントマンの父親の写真を見つける。祖母との会話から、父方の祖父がまだ生きていることを知ったカルロスは、母親に内緒で祖父のいるウエスタン村へと向かう。やはりスタントマンだった祖父フリアンは、昔はハリウッド映画が多数撮影されたロケ地で、今はウエスタンショーをしていた…。

舞台のウエスタン村はアンダルシアのアルメリア。数年前のベッカムとかが出ていた西部劇風ペプシのCMもアルメリアで撮影されたって聞いたけど、実際に一時は映画がたくさん撮られたロケ地だったようです。
今は西部劇もなくウエスタン村も閑古鳥…で、フリアンたちメンバーは以前ハリウッドスターと一緒に仕事をしたというプライドを胸に毎日ショーを続けているけれど、マドリッドの不動産会社(カルロスの母が勤務)にアミューズメントパーク建設地として買い上げられることになってしまいます。
しかしここで、『はい、そうですか』って立ち退いたらウエスタン魂がすたるのですよ。
ここらへんのフリアンの男気が泣かせます。ちゃんと筋も通してるしね。
女ばっかりに育てられたカルロスには、おじいちゃんとはいえ、眩しい男性像だったんだろうなぁ。
フリアンも、邪険に扱いながらも利口なカルロスが可愛くてならない様子。
不動産会社への抵抗も、切羽詰りながらもなんだか牧歌的で(そこはスペイン風)ほのぼのしてたんだけどなぁ。だから、最後のほうのシーンは悲しかったです…。

私の周りの一部のスペイン人だけかもしれないけど、スペイン人って反体制というか、お金持ちとか権力者とかお役所とか、そういうものには反抗しとけ!って人が多いような気がする…。
気がするだけだけど…なんか、フリアンのそういう部分が似ている人が多いかも…。

私は西部劇好きなので、またいいウエスタン映画が撮られたら嬉しいのにな~。
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by bordergirl | 2008-12-29 22:58 | 映画 en español

“ボンボン”

a0013880_1705518.jpg犬とおじさんが主人公のアルゼンチン映画。

主人公のココ・ビジェガスは長年勤めていたガソリンスタンドをリストラされて、娘夫妻の家に身を寄せて求職中。そんなある日、ひょんなことから血統書つきの犬をもらうことになってしまう。その犬はドゴ・アルヘンティーノという愛好者には人気の高い猟犬で、ココも偶然知り合った愛好者からドッグ・トレーナーを紹介され、犬のコンテストに出ることに…というお話。

主役のココおじさんのうるうるした目がいいです。この人のほうがよっぽど、ワンコっぽい。優しくて善良な人で、でも居心地悪そうで、いつも困っている感じの目。
実はプロの俳優じゃなくて素人さんだそうで、だから緊張してたのかもしれないけど、素人でも『オレが、オレが』てタイプの人はこんな感じにならないもんね(実際、トレーナー役の人も素人だそうで…て、この人がオレオレタイプとは言わないけども)。
で、ココおじさんがどうも、貧乏くじを引くタイプというか、映画だったら必ず不幸な目に遭うかすぐ死んでしまうような雰囲気なもので、絶対そんな展開はないだろうと頭では分かっていても、『おじさん大丈夫か~』とハラハラせずにはいられない、ある意味サスペンスフルな映画でした(笑。いや、テンポはまったりした映画なのですが…)

でも、ココおじさんにぴったり寄り添うボンボン(あ、犬の名前ね)の温かさが伝わってきて、犬はいい相棒だな~、動物がそばにいるっていいなぁって思いました。
ドッグ・コンテストとかブリーダーとかのくだりは、ああいうのは犬の幸せじゃないと思うので、このままラストはどうなっちゃうのかなぁってちょっと心配だったけど。
懸賞で当たったオイルを『本当は換金したかったけど…』って言ってたココが、ボンボンをもらって、一度も手放すことを考えなかったんだから、そんな心配はなかったのね。
いつも居心地悪そうにしてたおじさんが、ココと一緒で、ようやっと自分の居場所を見つけたようなラストはよかったです。

ちなみに、ココはボンボンのことをレチェンと呼んでるんだけど、これはもともとの飼い主がフランス人で、犬舎に“le chien”(犬)と書いてあったスペイン語読み。これ、可愛いなぁ。いつか犬を飼うことがあったらレチェンって名前にしようかなぁ。
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by bordergirl | 2008-11-10 16:59 | 映画 en español

“タイムクライムス”

a0013880_23385043.jpg2作目はうって変わって、不気味なサスペンス。

森の中の一軒家に引越してきたばかりのエクトルとその妻。
ある日、エクトルは森の木立の間にふと気になるものを見つけ、様子を見に行くが、顔を包帯で覆った謎の男に襲われ、近くの施設に逃げ込む…というストーリー。

ここで、サクッとネタバレしちゃうと、タイムパラドックスものです。
最初の3分の1くらいでだいたい先の流れは分かっちゃう。
だから、3分の1までは不気味で謎めいたストーリーなんだけど、その後はちょっとユーモラスな描写もあったりします。
だいたい、主人公がほんとにふつーのおじさんって感じで、タイムトラベルだの、パラドックスだの分かんないので、『いや、そこでそうしないだろー?』て行動をとるのです。
タイムトラベルものって過去を変えたり修正したりするのが多いけど、これはその逆。
分からないなりに閃いちゃったおじさんが、律儀に自分の役割を果たしていくさまは、最初は滑稽だったけど、後半ちょっと薄気味悪いものがありました。
そういう意味で、目のつけどころは面白い映画かなぁ。
ハリウッドリメイクも決定しているようです。
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by bordergirl | 2008-09-15 23:58 | 映画 en español

“おなじ月の下で”

a0013880_22472518.jpg今年も行ってきました、Latin Beat Film Festival 2008
観たのは2作品。
1作目はこちら。“おなじ月の下で”(La Misma Luna)。

9歳のメキシコ人少年カルリート。彼の母親は不法入国でアメリカ入りし、彼を呼び寄せようと頑張っているもののもう4年も経ってしまった。そんなある日、カルリートの面倒をみていた祖母が亡くなり、彼は1人で国境を越え、母を捜しに行く…というストーリー。

もーーーーー、泣きました。
最初の母子の電話のやりとりのシーンから泣きっぱなし。
最後のシーンも、泣いていいのやら笑っていいのやら分からず、なんだかもう大変でした。
その前に悲しいシーンもあるのですが、ラストが幸せに泣けてよかったです。

笑えるシーンもいっぱいあって、バランスの取れたいい映画だと思います。安心して観れる感じ。登場人物も王道というか、きちんとツボを押さえています。途中、カルリートと行動を共にするエンリケのキャラ設定とかね。

しかし、なにより、主人公のカルリート役の男の子。かわいすぎ。
…と思ったら、“レジェンド・オブ・ゾロ”にも出てたそうで。
当時もめちゃくちゃ褒めましたが、相変わらずかわいすぎです。
頭がよくって、人から好かれる術を知ってて、でも子供らしく抜けてるところもあって。ママのことが大好きで大好きで、でも、実はもう僕のこと忘れちゃったかも…と悲しくなったり。
『国境を越えたときは怖かったけど、その価値はあったんだ。だって、ママに会うためだもの』
とかあの子に言われたら、もう、みんな何をしてでも助けてあげたくなっちゃうって。

最後のQ&Aで監督も言ってたし、劇中でも触れているけれど、基本的には好きで移民・不法滞在しているわけではないのだなと思いました。まぁまれに、自分の国が生き辛くて海外の方が肌に合っているとか、外こもりしてる人とかいるけど、それは恵まれた人の選択肢で、基本的にはみんな自分の国で暮らしたいんだと思う。
だから、すごーーーーーーーく理想論なんだけど、世界中の人が自分の国で満足のいく生活をおくれれば、移民問題もないのかな…と。あまりにも大雑把な解釈ですが。

ちらっと、“アグリーベティ”のアメリカ・フェレーラが出てます。
しかし、おおっ!と思ったのが、カルリートの母を慕うラティーノ、パコ役にテレノベラ“ビクトリア 愛と復讐の嵐”のディエゴ!! メロドラマのイメージが強かったので、最初出てくるたんびにムズムズ違和感あったんだけど、この映画でも相変わらず耐える色男風です(笑)。

最後に、Q&Aで監督が言ってたけど、次回のプロジェクトに“Hija de la Fortuna”の映画化の企画があるって! 超楽しみだ~~。
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by bordergirl | 2008-09-15 23:46 | 映画 en español

“9 シガレッツ”

a0013880_012590.jpgメキシコ旅行前に…と思って、メキシコが舞台の映画をレンタル。本当は“ダック・シーズン”が見たかったんだけど、なかったので、あんまり“メキシコ”っぽくないけど…と選んだのがこれ。
主演のディエゴ・ルナが好きなので、これはこれでいいのですが。

ハッカーのロロがチンピラ2人組から頼まれ、銀行に不正アクセスしてデータをコピーすることに成功。ディスクに落としたところでさっさと渡せばいいものを、隣に住む女性を盗撮してたりなんかして、それがばれたもんだから、怒った彼女に家中のディスクを滅茶苦茶にされてしまう。慌ててそれらしいディスクを持って取引き場所に向かったものの、やはりディスクを間違えていて、チンピラと、取引き相手のロシアマフィアの撃ち合いになってしまい…というストーリー。

けっこう、おもしろかったです。
いろんな人が出てきて、それぞれが普通の人という感じで。
登場人物が多いけど、時間はさくっと短いので分かりやすいし、話を広げすぎずに、一夜の徒歩圏内の出来事になってるのがいいかも。
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by bordergirl | 2008-06-03 00:09 | 映画 en español

“パンズ・ラビリンス”

a0013880_16474919.jpg台湾旅行はダメになってしまいましたが、映画のほうは観てきました。
最終的に一緒に観る約束していた妹は仕事で、ひとりで観ることになったんだけど、それでもとにかく観てよかった。残虐なシーンも多くて、見ていて楽しい映画ではなかったけど、とてもいい作品だと思います。公開もう終わっちゃうので、ここで力説してもしょうがないかもしれないけど(笑)。

舞台はフランコ独裁政権下のスペイン。少女オフェリアは、身重の母親と一緒に山奥の駐屯地へやってきます。そこでは母の再婚相手である大尉が反政府のゲリラ軍と戦っており、長旅で体の弱った母は寝込んだまま。一人ぼっちで過ごすオフェリアは、家の裏にある迷路の奥でパン(牧神)と出会い、実は彼女は地下の魔法の国の王女で3つに試練を乗り越えれば地下の国に戻れると聞かされ…というストーリー。

『魔法の国』なんて聞くとなんだそれ?と思うけど、現実の世界もファンタジーの世界もとてもリアルな映画だと思いました。現実的かというと違うけれど、質感が分かるというか、身近に感じられるというか。
冷酷非情な軍人・男性に頼らないと生きていくのが難しい母親・多感な子どもという構図は、この時代を描いたスペイン映画にもよく見られるので、それほど目新しくもないけれど、同時進行でファンタジーも描いて、2つの要素がひとつのテーマでつながっているのがいいです。

私にとってはスペインは少し特別な国になってしまうので、内戦の描写なんかは、時代が違ったら私の知ってるあの人やこの人が人を殺したり拷問されたりする運命だったのかもしれない…と考えてしまってとても辛いのだけど、ファンタジーの要素が入ることで『スペイン内戦』の話よりもっと広いものになってます。
観ている側には、大尉がフランコ側とか、フランコがいいか悪いか、ゲリラ軍が何のために戦っているかとかいう知識は関係ないし、『以前スペインでこういうことがありました』というだけに終わらず、いろいろと考えさせられる内容になっているし、それぞれが考えて正しい道を選ぶというのが映画の大事なテーマだと思います。(だから私は、あのラストはハッピーエンドと取るほう)

ところで、この映画のプログラム、カラーの絵本みたいになってる豪華仕様?800円も出して買ったのですが、執筆陣もっといい人たちを選べなかったのかな? もっと、この映画を真面目に観てくれる人、大事に思ってくれる人に頼めなかったのでしょうか?
映画にたいした感想も持たず、仕事を頼まれたからやっつけで仕上げた…て感じの人が何人かいたような気がします。私もこんな拙い文章書いといてなんだけど、あまりに内容のないことを書いてる人が多くてとても残念だったし、そんなものにお金を払う側としては不愉快でした。
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by bordergirl | 2007-11-23 17:55 | 映画 en español