撮影時からブログで記事にしていたアラトリステ。スペインで公開後しばらく待っても日本に来なかったので、スペインでDVDを買ってあったのですが、見ないでいるうちに日本公開…。結局、DVDを観たのは日本上映よりも遅くなってしまいました…。
だって、スペインで映画を観たクラスメイトが『全然分からなかった』と言っていたので、ヒアリング難しいのかなぁ~と…思って腰が引けちゃって。ちゃんと集中して観れるときに観ようと。
で、ようやっと観てみて、やっぱりよく分からなかった…。
とはいえ、日本で普通に上映を観た方々のブログを読んでも、『分からない』のはヒアリングだけの問題でもなさそうです。
舞台は、スペイン栄華期の終わりごろ。いまだ日の沈まぬ国ではあるものの、オランダの独立戦争、フランスとの戦争など対外的にも多くの問題を抱えていたスペインで、傭兵・刺客として活躍する架空の人物アラトリステが主人公のお話です。
歴史物だからハードル高いかなぁと思いましたが、もともと歴史好きなのでこの辺はかろうじてクリア。ただ、映画のHPなどで宣伝されてるように手に汗握る宮廷陰謀劇…ではないのですよね。そういうお話かなぁと思ってたんだけど。
ウィキペディアで調べてみたら、映画はどうも原作の5,6巻分を一気にまとめたストーリーのようです。なので、一つ一つのエピソードは因果がよく分からないまま次のエピソードへ進んでしまい、盛り上がりに欠けるのです。おかげで人物関係も呑み込むのに時間がかかりました。
続編を作らない潔さはいいのかもしれませんが、なんならオリジナルエピソード作っちゃったってよかったのにね。
華やかな宮廷陰謀劇ではないかわりに、一言で言うとものすごく泥臭い映画でした。主演のヴィゴ・モーテンセンもいつも髪はボサボサ、服はボロボロ、体は傷だらけ。戦場で泥まみれになって戦って、家ではベッドもない生活。何度も、これで死んじゃうのか…と思わせる主人公も珍しい。
でも、そういう部分で助けられていた映画かも。ハリウッド風の薄っぺらな派手さで作ったら、このストーリーでは訳の分からないものになっちゃったでしょう。
ちなみに、カディスのカレタ海岸もちゃんと出てきました。当時の人は本当にあんなふうに帰還したのかな。画面いっぱいに広がる海がとても綺麗でした。
私のカディスの知り合いもエキストラ出演してたみたい。といっても、知り合いの知り合いで、私のほうはあんまり覚えのない人なんですけど…。撮影中はヴィゴとみんなで遊びに行ったりしたそうです。本当かなぁ。写真でも撮っといてくれればよかったのに。