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Beyond Borders

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“ベル・エポック”

“ベル・エポック”_a0013880_133630.jpgフランス映画の次はスペイン映画。
お隣の国でもこんなに違うんだなーとおもしろく観ました。
とはいえ、時代も少し違うのかもしれませんけど…(この映画は内戦前のスペインが舞台)。

脱走兵の青年が、田舎で暮らす老画家の家にかくまってもらうのですが、そこに都会で暮す4人の美人姉妹が里帰り。
彼女達の美しさにポーっとなった青年は、なんと姉妹全員と関係を持ってしまいます。
…てきくと、どんな話なんだ?って感じですが…。

この青年てのが純情なのか、はたまたなんにも考えていないのか、関係を持つたんびに相手に“恋をして”、『結婚したい』と言い出すんですよね。
逆に女性側のほうが『なに言ってるの! バカなこと言わないで!』って調子で、遊ばれてるのは青年の方。
そんな事態に困惑しつつも、姉妹に誘われると衝動のまんまに動いちゃうところが男のサガなんでしょうか、観てて可笑しいです。
姉妹の父親も、当初は姉妹達が来る前に青年を追い出そうとするのですが、それも『うちの娘になにかがあったら…』という心配よりも、『娘と一緒にさせると青年が大変だ』って心配だったみたいだし、おおらかというかなんというか…。
サルスエラ歌手の母親も、愛人のパトロンを連れて平気で家に帰ってくるんだから、もうハチャメチャなんですけど。
それで結局みんなまるーく収まってしまうので、観ていると深いこと考えるのがバカバカしくなるというか、『あれこれ悩んだってしょうがないのね』っていうおおらかな気持ちになる映画でした。
# by bordergirl | 2006-07-16 01:02 | 映画 en español

“みんな誰かの愛しい人”

“みんな誰かの愛しい人”_a0013880_0501664.jpg最近本当に映画ブログのようになってきました…。
今度はまたフランス映画。

ロリータは地味で太めの女の子。彼女の父親エチエンヌは有名な作家兼編集者で、横暴で傲慢で娘のことを全然構わない。だけど、ロリータに近づいてくる人はみんな父親目当てだったりするので、彼女は自分に自信がないし周りに対していつもヤツあたり気味。
そんな彼女が唯一楽しめるのが声楽なのだけれど、教師のシルヴィアはロリータが苦手だったりする。ところが、売出し中の作家であるシルヴィアの夫がエチエンヌと契約することになり、夫婦はロリータ一家と親しく付き合うようになる…というお話。

DVDにはたいてい特典映像で予告編がついてくるのだけれど、日本版の予告編を観ると、タイトルからも分かるとおり『コンプレックスのある女の子が、辛いこともあるけれども、最後は幸せになるほのぼのとしたお話』ってイメージなのだけど。
実際は、とくにロリータが主人公って感じはしません。
むしろ私的には、エチエンヌやロリータと付き合うことによって変わっていくシルヴィア夫妻のほうが主人公って感じがしました(ちなみにシルヴィア役の女優さんは監督・脚本も手がけてます)。

確かに父親のエチエンヌは傲慢な男性なんですが、娘のことを愛してないわけではないと思うんですよね。ただ、彼は男尊女卑というか、女性の内面にあんまり価値を置いてない人みたいです。見た目の美しさや、分かりやすい愛嬌しか評価しない。
やっぱり女性は内面を見て欲しいものなので、結局ロリータだけじゃなく、若くて美しい奥さんともケンカになってしまいます。
最後の方のシーンで、女性陣がみんなエチエンヌに対して怒りを爆発させるのですが、その展開がフランス映画っぽいなぁって感じでした。
例えば以前に書いた“幸せのポートレート”みたいに、アメリカ映画ならここで女性達の気持ちが一つになって大団円ってなると思うのだけれど、フランス・ヴァージョンはさすが個人主義。それぞれが勝手に怒って、慰めあったりとかは全然なし。
おかげでやや盛り上がりにかけるけど、ある意味潔くて、それはそれで観てて気持ちがよかったです。
# by bordergirl | 2006-07-14 00:49 | 映画 en français

“ロング・エンゲージメント”

“ロング・エンゲージメント”_a0013880_23145261.jpg第一次世界大戦中、故意の負傷の疑いで処刑を宣告され5人のフランス兵が敵地と塹壕の間に取り残される。5人とも戦死とされるが、5人のうちの一人マネクの恋人のマチルドは、関係者を探して真実を突き止めていく…というお話。

一度、飛行機の中で観たことがあるんですが、日本語字幕・音声がなくて、英語字幕で頑張って観ていたのだけれど、途中で人の名前が分からなくなって観るのをやめちゃいました。
最初の方のシーンに、5人の兵士たちの説明がダーッと入るのですが、名前がややこしいし、画面が暗くて顔がはっきり見えないし、分かりづらいんですよ!
なので、その時はストーリーというより、映像の美しさ・奇妙さ、どことなく漂うユーモアや非現実感の方が記憶に残りました。
マチルドのシーンは夕焼けのような美しいセピア色で、戦争シーンは無機質なグレーがかった金属質の色になっています。うまく言えないんですが、夢で見るような映像に似ています。

今回はDVDでゆっくり観てみて、ちゃんとストーリーを追うことができました。
登場人物も、エピソードが重なるにつれて覚えやすくなりますね。
オドレイ・トゥトゥ演じるマチルドのシーンは確かにファンタジックでどことなく可愛らしいんですが、改めて見ると戦争シーンをものすごくリアルに書いてるなって思いました。
あの中にいたら、わざと負傷して戦列を離れたいと思うのはとても理解できます。

ストーリー的には、昔読んだある小説を思い出しました。
同じく戦時中の謎解きがメインなんだけれど、謎が解けてスッキリ!ではなくて、その謎に隠れた悲しさ、戦争が生き死にだけではなくて人生にどんな影を落とすのか、ていう部分が一緒。
でも、この映画はハッピー・エンドでよかったです。


ところで、写真を探すために検索していたら、『主人公に共感できなかった』っていう感想もいくつか観たのですが…
私はこういう、頑固で変わり者の女性はけっこう好き。

“マネクに何かがあればマチルドには分かる。
 マチルドはこの糸を決して離さないと心に決めた。
 もしこの糸をたどっても彼に辿り着けなかったら、糸を首に巻いて死のう。”

DVDを返しちゃったのでうろ覚えなんですが、好きな台詞です。
# by bordergirl | 2006-07-11 23:56 | 映画 en français

“ミーン・ガールズ” vs “シンデレラ・ストーリー”

『学園ラブコメはもう卒業』といいながら、また2つも観てしまいました。
主演はアメリカの2大アイドル、リンジー・ローハンとヒラリー・ダフ。
アメリカの学園モノはお決まりのパターンがあって、何にも考えずに楽しめるのでよいです。

“ミーン・ガールズ” vs “シンデレラ・ストーリー”_a0013880_22385389.jpgまずは、リンジー主演の“ミーン・ガールズ”。
学者両親のもとアフリカで自宅学習していた主人公が、ある日突然アメリカの高校に転校。なぜか学園セレブのプラスティックスに気に入られて仲間入りし、順調に学園生活をスタートさせます。が、プラスティックス・リーダーの元カレを好きになってしまったことから歯車が狂い始め…というお話。
もともと、原作は現代女子高校生の実態を書いたノンフィクションのようなので、女子同士の力関係がおもしろく描かれています。相手のことが大嫌いなのに、嫌われて仲間はずれにされたくなくて、ファッションから仕草まで真似したクローンになってしまう…という。でもそれで本当に大事なものを見失ってない?ありのままの自分の方が楽だよ、というのがテーマ。
リンジーをはじめ、セレブ・リーダー役のレイチェル・マクアダムス(『君に読む物語』やこないだ観た『幸せのポートレート』にも出てました。清楚でナチュラルな感じの女優さんかと思ってたら、バービー人形みたいな役もはまっててびっくり!)などの周りの俳優も華があって、元気のいい映画。憧れの男の子役の俳優さんも、なかなかかっこよかったです。

“ミーン・ガールズ” vs “シンデレラ・ストーリー”_a0013880_22535921.jpgお次はヒラリーの“シンデレラ・ストーリー”。
タイトルどおり、シンデレラの現代版です。
主人公サムは幼いときに父を亡くし、意地悪な継母と義姉妹にいじめられ、継母経営のダイナーでこき使われる高校生。目下の夢は町を出て遠い大学に行くことで、チャットで知り合った同じ高校の男の子とネット恋愛中。高校主催のハロウィン・パーティで憧れの彼ととうとうオフで会うことになるのですが、なんとその彼は学園のアイドル!(生徒会長でアメフト部キャプテン。彼女は学園セレブでチアリーダー。超お約束!笑) 彼はサムに夢中になるものの、仮面をつけていた彼女の正体には気がつかなくて…というお話。
ヒラリー・ダフ、可愛いんだけど演技が下手で、ものすごいカマトトっぷりがおかしい。
学園セレブも憧れの王子様も、ちょっと地味でつまらなかったかな…。
唯一光ってたのが、継母役のジェニファー・クーリッジ(『キューティ・ブロンド』のネイリスト)。この人は何をやってもおかしいし可愛い。

というわけで、私の中ではリンジーの勝ち。
ところで主演2人とも若さゆえか、ちょっと太め。胸とか二の腕とかパンパンです(笑)。
でも、そこが可愛いし人気のもとだと思うんだけど。
リンジーは最近激痩せで、寂しいなー。
# by bordergirl | 2006-07-06 23:15 | 映画

“幸せのポートレート”

“幸せのポートレート”_a0013880_0464077.jpg試写会行ってきました。
ストーリーはすでにWakabunのブログどりちゃんのブログで読んでいたので、ここでは割愛するとして感想を。

コメディとか“ハートウォーミング”なんて宣伝されてますが、私はちっとも楽しめませんでした!
もちろん、ところどころに笑えるシーンはありますけど…(お父さんはいい演技)。
『ミート・ザ・ペアレンツ』もそうだったけど、つくづく私はこういう映画は楽しめないんだなぁ…と。
恋人の家族に会って…て展開は誰だって緊張するし、最初は皆うまく行かないものかもしれないけど、主人公メレディスと同じようにリラックスして人の輪に入っていけない私にとって、『うわー、私だったら絶対無理!』って思うシーンが満載で精神的にきつかったです。
家族間の冗談気分で深いこと考えずに相手を傷つけたりして、私だったらいくらどんなに好きな人との結婚がかかってても、尻尾を巻いて逃げちゃうかも。

しかも、その恋人が全然彼女をかばわないし。挙句の果てには別の女性にポーっとなっちゃうし…。なんだよ、それ?って感じの失礼なお話でした。
一応『彼はもともと彼女のことが本心では好きじゃなかった』ってことを最初から匂わせてますが、それでも、彼自身はストーリー前半まで『自分はこの女性と結婚する』と信じて疑わなかったわけだし…。
もうなにを信じていいのやら。恋愛や結婚なんて所詮こんなもんねー、一時の気の迷いなのよねーとやさぐれた気持ちになっちゃいました。
まぁ、結果的にはあの組み合わせであってるとは思うんですけどね…。
映画だからそんな風に“めでたしめでたし”ってなるけれど、なんにしても失礼な話だな、と。
主人公も変なキャラなので共感はできなかったけど、最後の方のシーンで主人公が『私のことを愛している人は誰もいないのね!』っていう台詞。
あれは痛々しかったです。
笑えるシーンなのかもしれないけど、私はキューンって切なくなっちゃった。
その台詞の直後いきなりメレディスをかばう女性陣、ていう流れはわりと気に入ったけど、後はドタバタに流れちゃうし…。
作り手の意図が分からないのだけれど、コメディと思って作ってるんだったら、神経図太いんだなぁ…繊細さがないなぁって思いました。

…て、珍しくけなしてばっかり(笑)。
ところで、サラ・ジェシカ・パーカー。私はSATCを見たことないので、彼女が動いてしゃべるのを見るの自体久しぶりだったんだけど、あんな声だったのね。子供っぽくてびっくりしちゃった!
# by bordergirl | 2006-06-28 23:45 | 映画