第一次世界大戦中、故意の負傷の疑いで処刑を宣告され5人のフランス兵が敵地と塹壕の間に取り残される。5人とも戦死とされるが、5人のうちの一人マネクの恋人のマチルドは、関係者を探して真実を突き止めていく…というお話。
一度、飛行機の中で観たことがあるんですが、日本語字幕・音声がなくて、英語字幕で頑張って観ていたのだけれど、途中で人の名前が分からなくなって観るのをやめちゃいました。
最初の方のシーンに、5人の兵士たちの説明がダーッと入るのですが、名前がややこしいし、画面が暗くて顔がはっきり見えないし、分かりづらいんですよ!
なので、その時はストーリーというより、映像の美しさ・奇妙さ、どことなく漂うユーモアや非現実感の方が記憶に残りました。
マチルドのシーンは夕焼けのような美しいセピア色で、戦争シーンは無機質なグレーがかった金属質の色になっています。うまく言えないんですが、夢で見るような映像に似ています。
今回はDVDでゆっくり観てみて、ちゃんとストーリーを追うことができました。
登場人物も、エピソードが重なるにつれて覚えやすくなりますね。
オドレイ・トゥトゥ演じるマチルドのシーンは確かにファンタジックでどことなく可愛らしいんですが、改めて見ると戦争シーンをものすごくリアルに書いてるなって思いました。
あの中にいたら、わざと負傷して戦列を離れたいと思うのはとても理解できます。
ストーリー的には、昔読んだある小説を思い出しました。
同じく戦時中の謎解きがメインなんだけれど、謎が解けてスッキリ!ではなくて、その謎に隠れた悲しさ、戦争が生き死にだけではなくて人生にどんな影を落とすのか、ていう部分が一緒。
でも、この映画はハッピー・エンドでよかったです。
ところで、写真を探すために検索していたら、『主人公に共感できなかった』っていう感想もいくつか観たのですが…
私はこういう、頑固で変わり者の女性はけっこう好き。
“マネクに何かがあればマチルドには分かる。
マチルドはこの糸を決して離さないと心に決めた。
もしこの糸をたどっても彼に辿り着けなかったら、糸を首に巻いて死のう。”
DVDを返しちゃったのでうろ覚えなんですが、好きな台詞です。